羊の文書

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ベンチャー企業へ転職する事は甘い罠にハマっている!30代以上の転職に虫の良い話は早々無かった。

ベンチャー企業とは、革新的なアイデア・技術等をもとに、新しい形態のサービスやビジネス(ベンチャービジネス)を展開する中・小規模の企業のことです。新興企業と同義で用いられることもあり、主に成長過程にある企業を指します。成長過程にある企業を見ることができる、自身が会社の成長に貢献できる度合いが大きい、IPOを目指す企業ならストックオプションによる大きな収入が期待できるなど、向上心の強い人にとっては非常に魅力的な環境です。

 

 

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 ベンチャー企業へ『安定・安心』を期待した末路

数々の転職を繰り返し、最終的にはフリーでやって来ている当方は、過去に「まだまだこれから稼ぐぞ!」と言うベンチャー企業へ見事! 転職をする経験を得ました。今回はそんな転職経路から、「そして結局...」な話を開示致します。特に、30代以上で転職に悩まれている人には参考に出来る事例だと思いますので、是非ご参考下さい。

 

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も・く・じ

 

 

 

転職経路

過去に4回目の転職の時、東京のある会社へ転職しました。経路としては某サイトから「仕入・購買」に関する求人でHIT。もともと、大枠で販売業を経験した傍ら、実際に物の買い付けや、仕入・根付けまでを行っていた経験により、この会社へはほぼ面接1発でOKを貰いましたが、当時その前の会社でブラックな業態に息を詰まらせていた処だったので、正直この面接一発OKの際には深く突っ込まず、慌てて入社を決めた感じです。

 

この入社した会社は約10年の歴史ある「OA機器の販売と合わせて、設置工事を行う業態」として一代社長で成り上がってた企業で、当時のスタッフは社長はじめ総20名位、役員数は社長と取締役2名と言った感じ。役職は数名いましたが、売り上げは年々右肩上がりの中、そのスピードに人がついて行けない台所事情がある会社です。

 

私はそんな中、販売商品の「仕入れ買い付け及び購買管理」として、初めての事業部立ち上げメンバーとして入社。(この時点で運営に大切な仕入管理の事業部が無い事に、ちょっとは疑問を持つべきでしたが...)仕入管理と言う肩書には、ちょっとうつつを抜かしながらも、さらに提示された月の給料は前職の1.5倍、ボーナスは前年実績で給料2ヶ月分を支給されており、また残業や休日出勤を原則禁止していると言う何ともホワイトな会社模様に、今後社会人人生はのここで頑張って行こうと心に決めたのでした。(面接時はこの辺、確かなる確約を貰いました。)

 

 

大義名分、「仕入・購買管理部」

そして、そんな会社で訪れた新しい事業のスタートは、お世辞にも「形」があるとは言えない散々な物。当時商品の仕入れに関しては、社長自らが「勝手気まま」に仕入れてくる物を、一般営業マンがなんやかんや理屈づけて売りさばく。買い付けした物の登録管理システム等も無く、単純に請求書で仕入れた物の費用はいくらかかったのか?」を確認するだけの低俗な仕入管理状態でした。もちろんそんな商品管理ですから、当然在庫なんていつの間にか無くなっていることなど日常茶判事で置きますが、そんな時は営業マンが案件ベースで外注仕入れをし穴埋めをすると言うすっごい無駄なお金が流れている環境でした。

 

 

業務開始から訪れる想定外のトラブル

さて、そんな感じで業務をスタートし始めたのですが、入社当時、自分に求められる事は結果として一つ。「先ずは仕入に掛かるコスト削減!」これだけを名に職務に就いてまいります。社長とは幾度と顔を合わせていましたが基本忙しい人種です。早々にこれまでの仕入れに関する情報を伺う余地は無く、過去のデータも売り上げ実績もまとめ上げたものも無く、すべて手探り状態な日々が続きますが、そんな中でも商品仕入れは行わないといけないので業者商談・交渉、入荷に関するスケジュール調整、そして新たに組んだ入荷システムの導入と実践。商品保管の為の倉庫管理。目まぐるしくやる事一杯の毎日。しかしながらこの時までは良いのです。なんせ「本業」をやっているから。

 

 

突如訪れるあくま(社長)の一言

そして、入社3ヶ月を迎えたある日、社長から意味不明な事を言われます。

「〇〇君、仕入れた商品(たとえばAと言うジャンル)を専用HP作るから売ってくれ」

は?まぢでビックリでした。いや、別に売る事自体がどうこう言う分けでは無いのですが、「今?」「この状態で?」しかもここが一番厄介な点で、売り方を決めていない処です。例えば...HPで欲しいと思いmailやTELなど注文が入るとします。しかし、その番号の専用線も無ければアドレスも無い。その上販売に関する運営マニュアルもまるで用意されていない。営業トークマニュアルのような物も無く、この日を境に「本業」の仕入れ管理は完全に方向性を見失いました。

 

 

展開に四苦八苦する日々

この件については、早々に営業責任者に相談し何とか形にはなりましたが正直この事業は社長の思い付き且つテスマ運営でもあった為、完全に社長はノータッチこちら(スタッフ)サイドの見解により運営。この事業はその後半年間は続くけれど突然の社長声明でつぶれてしまいました。更にその後は緊急で合同企画の営業事業へ取り組み、参加。不動産事業への加入。web事業への補助...。つまるところ「何でも屋」。しかし、これは私に限った事では無く役職者全員が常巻き込まれる事案です。

 

約1年、このまともに「仕入れ管理」出来ない状態で勤めてましたがとうとうこんな事が起きてしまいます。「〇〇君、在庫が切れているらしいじゃないか!もっと早く、計画的に仕入れて売り切ってよ!!」...えぇえぇ、そうでしょうよ。社会人だし、既に何社も経験している中途の身分なんで言い訳はしません。ただ一言「すません」と謝りましたが、心の中では「当たり前だろ?本業以外の仕事いくつもたせんだよ!」と沸々にえたぎっていました。

 

 

だんだんと広がる黒い影と不穏な影

この頃から、どうも社長が裏で何かと探っていると気づいてましたがその時は別件で仕入事業部のコスト削減の名を受け動いていた為、気にする余裕はなかったのですが翌年の6月以降から風当たりが厳しくなってきます。ちょくちょく仕入に関して突っ込んでくる社長「これなんでこんなに高いの?」「今後の仕入れプラン出来ているの?」※一度の出したことが無いけど...挙句の果てには「少し仕入を留めて」と言う割に在庫が切れると「早く仕入ないから在庫が無いんだ!」「売り逃してるぞ!!」と罵声を受ける始末。

やがて冬の季節を迎えると社内でこんな噂を耳にします。「仕入部無くなって営業と統括するってよ」「工事部門に仕入れも入れるって」などと言う部署内移動の話。もちろん対象は私でしょうね...。

 

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ついにクビを宣告される刻

もはや収集の聞かない位評価の落ちた私に、その日が訪れるのは遅くはありませんでした。入社して僅か2年。当初「仕入管理」という大義名分のもと入社した私は、いつの間にか本業以外の仕事に飲まれ、社長「〇〇君、正直仕入れ事業部を作ってからの今日格段にコスト削減などで来ていない」社長「ここではね、皆1人1人が社長として努めてほしいんだよ。努力じゃなくてね。あなたは社長なんだから、どうやって運営するかを考え起案して実行して成果を出していかないと...」

 

役員との最後の面談でクビを宣告されたました。

 

結局、この会社では約2年勤め、やった事と言えば本業で成果が出せずただただ会社の展開に振り回されてばかりでした。そして、期待外れだっからもういらない...と言う事で幕を閉じました。

 

 

結果、まとめて見ると...

もちろん、自分自身にも問題点はあったと思います。全てが全て会社が原因なんて申し上げませんが...少なからずまとめると、このベンチャー企業での問題点は以下にあると思います。

 

  1. 社長による勝手気ままな事業計画で現場が振り回されてる。
  2. 確りとした業務の振り分けと分担(事業部/課)が無いので選任が選任らしからぬ営業となってしまいクレーム地獄になる。
  3. 1人5役以上の業務量のせいで、クオリティーはおろか人員定着する事すら困難になっている。
  4. 社長の求める、「皆1人1人が社長として努める」が意味わからない。(そしたら独立しますよ...。)
  5. 完全にシステムツール&マニュアルが不足している。引き継がせる事が全く出来ない。

 とくに、システムや業務分担、マニュアルが無いのに「人手が足りない」と会社自体が思っている処が単純に質が悪いな...と思う次第です。 

又、IT系のベンチャーだと多いのですが「短期集中型の荒稼ぎ事業」が多々発生します。その時は通常業務はおろか、初めて取り組むメンバーばかりで進んで行くので気が付けば売り上げは上がるものの、どんどん人がいなくなっています。(通信系ベンチャーだと特に注意)

 

皆ついて行けなくなったんですね...。

 

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最後に

中途採用者は創造以上に仕事の出来と振り幅を求められてきます。「安定」・「安心」でベンチャー企業転職を考えている場合は、一旦一呼吸して、業界情報を色々確認してから進めるようにした方が良いです。もちろん、すべてのベンチャー企業が記載例とはいいませんが、特にベンチャーのオープニングスタッフ(新規事業担当)はそれなりに覚悟を決めて転職する必要があるでしょう。

※なお、記載会社は現在事業形態が変わりスタッフ数も減り、それでも尚頑張って運営してました。

 

では、『ベンチャー企業へ転職する事は甘い罠にハマっている!? 30代以上の転職に虫の良い話は早々無かった。』と言う話でした。

 

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