羊の文書

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中古販売なんて実際のところ「儲かりません!」って、実務経験者がこたえる解答編。

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過去に数年「中古販売」に携わりながらも、個人的に「この業界は厳しいなぁ...」と持った部分をつづるページ。中古オフィス家具を取り扱って約4年。その時に得た実績と経験から中古販売におけるデメリットをお伝えいたします。心してご覧ください。

 

 

 

も・く・じ

 

 

 

 

 

 
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中古販売業を営んで学んだ数々

さて、前項で述べた「中古オフィス家具」ですが僕は過去に4年程中古の販売業務として「買付」「買取」「値付け」「同業調査」~「運営管理」と雇われながらも様々な体験を致しました。立場から言うと雇われ店長です。

 

この「中古のオフィス家具」と言う業界は意外と広そうで狭い所で、全国見渡しても有名処の会社は少なく、地方でも数店舗...も無いな、1~2店舗位しかたぶん御座いません。まぁ、そうでしょう。

 

中古のジャンルの中でも1位2位を争うほどの手間暇かかる業種だと思っています。今現在起業・独立始めたい...程度の方達へは一歩立ち止まるとても良いアドバイスになるかもしれません。全ては経験談です。

 

 

 

 

 

中古だけど儲からない点① 保管コストが掛りすぎる。

物が大きな商材は保管にスペースを取る。これは想像して解りますが、実際そのスペース・コストを真剣に捉えていない人が多いです。

 

中古家具の場合は店頭に陳列する為の『店舗スペース(土地代)』と、倉庫に保管する為の『倉庫台』が掛かって来ます。この2つの土地代は、後々響く大きな原価として重く圧し掛かって来ます。

 

例えば、商品価格に「数%のコスト費」として計上していても、売れなくても売れて月々加算されていく土地代は、時に大きな赤字を生み出し、在庫が残れば残る程に商品原価として加算される「見えないコスト」であると、認識しておきましょう。

 

特にもったいない現象として起こる事が多い、在庫切れの状態。一時、商品が売れすぎ在庫が無くなった...と言う嬉しい悲鳴も、その一時を過ぎると今度は売る物が無いのにスペース代だけドンドン掛かって行くと言う...なんとも間抜けな事になる。

 

折角用意ある保管スペースに、「保管する物が無い...」こんな現象が、中古商売では日常茶飯事に起きて来ます。そんな時の改善案無くしては、いつまで立っても保管費に無く日々を送ってしまう事になります。

 

 

 

 

中古だけど儲からない点② 配送・運搬費問題

家具だけに囚われず、どんな物でも輸送=自店舗への配送費と、売り先(購入者)への配送費は掛かります(ここでは家具などの大型・遠距離を対象に)

 

この費用は年間総額するとかなりの高額な費用になっています。なので特別優遇な配送会社を持っている...だけでは無く、その配送業社と良く打ち合わせをし、「配送ルート」から計画出来き、無駄無く1日配送出来るかを良く話し合いましょう。出来ればそんな話が出来る業者とお付き合いしたいものです。

 

中古家具の分野は、折角安く仕入れても結局輸送費による問題で販売価格を揚げないといけないケースや、依頼側へ負担を促した結果...他決なんて事が多々あります。

 

 

 
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中古だけど儲からない点③ 地方だけでは物集めが難しい。

中古品を販売しているから仕入れ力が必衰なのは当たり前です。ここを常に意識化出来ていない事は、死活問題です。

 

特に地方で開業する場合は余程の事が無い限り、顧客満足を得る程の商品群を用意する事は出来ません。都会になればなるほど、その商品の回転率はあがり、中古品として仕入れるチャンスは多く回って来ますが、その為都会は数多くの同業ライバルが引き締めます。

 

そんな中で、商品を、この先定期的に、需要のあるもの、を仕入れないといけないと言うのはかなり大変な事です。余程の伝手やコネが無い限り、未来永劫の仕入れなど早々できないと思っていた方が良いでしょう。

 

又、販売している以上いきなり在庫が全て売り切れる…事だってあるかもしません。それはうれしい事ですが、その後直ぐに販売した同数の仕入れが出来ますか?これが出来なければ、翌月からかなりの売り上げロスにつながるのは想像できますよね。

 

定期的に情報をくれる業者とは関係構築の為極力つなぎとめておく必要もあります。そんな時お店在庫が売れ残っている状態でも費用をかけて引き取る事が出来ますか?予備の保管スペースはお持ちですか?

 

仕入はただ物を仕入れるだけじゃなく、その後の運営スケジュールも踏まえ、計画組んで情報収取をしなくては一時的な売り上げで終わってしまいます。

 

 

 

 

 

中古だけど儲からない点④・引き取り~メンテ・クリーニング~展示のレスポンスの悪さ

中古に付きまとうマイナスポイントの大きな理由「メンテナンス」と「クリーニング」このメンテナンスとクリーニングを侮っては行きません。

 

上記のこの作業の結果で、売れない商品が売れるようになったり、また売れるはずだった商品が打ってはいけないものになったりします。この「売れない」と言うことに対して凄く危機感を持つことが大切です。

 

売れない=収益が無いだけでは無く、手元にあるうちは前項に伝えた、「スペース代」がドンドンかかっている赤字垂れ流し状態。更にいうなれば、処分するときには「処分費」が掛かる赤字のかさまし状態を生んでしまっているのです。

 

又、メンテナンスとクリーニングも簡単な物ではありません。例えば1日に約2時間位上記作業を行ったとし、1週間(5勤)で10時間1カ月だと×4で20時間、通常8時間勤務換算で約2.5日分の時間を使用しています。

 

これ、年間×12ですると約30日!!1ヶ月、クリーニングしているだけになっている!!これだけでも、中古のレスポンスの悪さがどんなものか、分かりますね。

 

 

 

 

 

中古だけど儲からない点⑤・売りのがす理由

数が限られているからこそ、売れ切った時が一番のピンチとなる中古商売。ここに注意していない人達が多い。

 

中古商売の強ライバルとなる「新品商品」の良さって、安心や安全・アフターに加え、誰も使用していない未使用品...程度の差とか思ってませんか?その代わり値段が高い...そんなところしか見えていないとどんどんお客さんは逃げちゃいます。

 

今や仕様さえこだわらなければ、新品でも安価で家具が買える昨今。中古品がすでに厳しい理由は価格や状態だけでは無く、「在庫」の問題があるからです。

 

例えば、新たに開設する事務所。役職抜きで約10名の席を欲してます。そんな時、価格以外に何を求めますか?

 

そう、これは「同じタイプ」の物。これは本当に多い事です。椅子に関しては布張り、レザー張り、色、ひじ掛けの有り無し...etc。デスクはメーカーや大きさそれを10台1セットで探している。この時在庫が無いお店は、無理やり近い物を組み合わせて提案したり、一部を新品商品で紹介したりしますが...そしたら正直新品をwebで探しますね。

 

そこが、かなりの割合で売れ逃していると言えるのです。新品には高額でも多数同品を集めれる力があります。この事を注意しておきましょう。

 

 

 
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まとめ・完結

上記のように、今回は中古のオフィス家具と言う点で記載しましたが、中古の分野(業界)全てに共通する物事が中には含まれます。

 

僕が感じ取った中古業界、そして中古に関するビジネス展開を考えた際、どうしてもマイナス部分が埋めてしまう理由を今回は書き出しました。

 

これが小物系(oa機器等)の中古業だと、話がまた変わって来るかもしれませんが。中古業には仕入れだけでは無く「保管」「物流」「メンテナンス」「仕入れ先」…等の確保など、事前に算段を付ける事の重要性が少しは伝わるかと思います。

 

是非とも、チャレンジする前に、一度ご確認下さい。

 

 

 
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では。

『中古販売って、実際のところ「儲かりません!」実務経験者がこたえる解答編。』

と言う話でした。